第一章 九時四十分の光
九時四十分。
窓から入る光が、白い木目の机の、ちょうど真ん中まで届いた。
笹原夏帆は、スマートフォンを構えたまま、息を止めた。
六冊の本が、机の上に並んでいる。
左から、『夜行バスのポケット』『雨宿りの文房具店』『鯨が来る町』『チョコレートの地図』『金曜日の小さな魔女』。そして右端に、『灯台守の朝ごはん』。
どれも、夏帆が読んで、読み終わったあとに「読んでよかった」と思った本だった。泣いた本もある。笑った本もある。苦しいまま終わる本は、一冊も入れていない。それが今日の決まりだった。自分で決めた、自分の会の決まり。
右端の『灯台守の朝ごはん』は、初版だった。
マットな紙の表紙で、灯台の窓辺に座った猫の前足が、片方だけ白い。後の版では絵が描き直されて、この白い前足はなくなった。古本屋で見つけたとき、夏帆は店の中で声を出しかけた。
その初版を、今日、手放す。
シャッターを切った。
光はやわらかく、表紙のどれにも反射はなかった。六冊の背の高さが、少しずつ違うのがいい。猫の白い前足が、画面の右端で、ちゃんと白かった。
(いい。これは、いい)
夏帆は、一人でにやけた。
喫茶「ともしび」の二階の小部屋を、店主の古川さんが一日だけ貸してくれた。
告知は一週間前に出した。
〈六冊の交換会。本を一冊持ってきて、六冊のどれかと交換してください。交換カードに一言書いて、本に挟んでください。六冊の行き先を、全部写真に残します〉
写真に残す、と書いたところで、夏帆の想像は、勝手に一週間先まで走った。
新しい持ち主の手に、本が渡る。同じ白い机、同じ窓の光。手と本だけの写真が六枚。それを並べたら、きっと、きれいだ。六枚目まで撮ったら、最後に何て書こう。〈六冊とも、いってらっしゃい〉。いや、ちょっと泣かせにいきすぎか。〈六冊、旅立ちました〉。それも違う。
(まだ一冊も旅立ってないのに、何を書いてるのわたしは)
夏帆は自分に突っこんで、スマートフォンを伏せた。
「笹原さーん、氷いるやろ。下にあるけん」
階段の下から、古川さんの声がした。
「あ、はい! あとハサミも借りていいですか。カードの紐、切りたくて」
夏帆は階段を下りた。
九時四十五分。開場まで、十五分。
一階の喫茶店は、まだ開店前で、コーヒーの匂いだけがしていた。古川さんは、カウンターの奥から氷の袋とハサミを出してくれた。
「二階、日当たりよかろう。朝は特にね」
「最高です。もう、写真、撮りすぎました」
「撮りすぎるほどええ部屋やろ。昔はね、あそこで写真教室やっとったんよ」
それから古川さんは、カウンターの下から古いアルバムを出した。
夏帆は、写真の話に弱かった。
昔の二階の窓、昔の机、昔の光。一枚ずつ見せてもらっているうちに、時計の針は進んだ。
「あ、そうそう、毎朝、パン屋さんが裏の階段から二階の倉庫にパン置いてくけん、物音しても気にせんでね」
「はーい」
返事をしながら、夏帆は、アルバムの中の、四十年前の窓の光に見とれていた。
気がつくと、九時五十七分だった。
「すみません、もう開けます!」
夏帆は氷とハサミを抱えて、階段を駆け上がった。
交換カードの束は、そのとき、まだ鞄の中に入っていた。
第二章 白い前足
十時ちょうどに、美鈴が来た。
「ごめーん、電車止まってて! うわ、なにこれ、きれい。夏帆の部屋みたい」
「わたしの部屋はこんなにきれいじゃない」
「知ってる」
美鈴は学生のころからの友達で、今日は手伝いに来てくれた。手伝いといっても、たぶん半分は遊びに来ている。それでいいと夏帆は思っていた。
十時五分、最初のお客さんが来た。
二十歳くらいの、背の高い男の子だった。リュックから文庫本を一冊出して、「交換、いいですか」と小さな声で言った。三上です、と名乗った。大学生だという。
三上くんが机の前に立ったところで、夏帆は言った。
「最初のお客さん、撮っていいですか。本を選ぶ前の手元だけ」
三上くんは照れたようにうなずいて、持ってきた文庫本を机の端に置き、その横に両手をそろえた。
夏帆は、机と、三上くんの手と、まだ誰も触っていない六冊を一枚に収めた。
窓の光は、九時四十分よりも少しだけ高くなっていた。
それから三上くんは、六冊の前をゆっくり歩いて、右端の『灯台守の朝ごはん』を手に取った。
表紙を眺めて、ぱらぱらとめくって、元の位置に戻した。
十時二十分。
「あの、交換カードって、どこに」と三上くんが聞いた。
夏帆は、凍りついた。
「……ある。あります。今、出します」
鞄の中から、カードの束を取り出した。
本当は、開場と同時に、机の端に置いておくはずだった。告知にも書いたのに。
(初めての会で、いちばん最初に必要なものを、鞄に入れっぱなしって)
美鈴が「どんまい」と小声で言った。
十時半。
年配の女性が、階段を上がってきた。
「インスタで見てね」と言いながら、まっすぐ右端へ向かった。
「投稿の、白い足の猫ちゃんの本。あれ、見たくて来たとよ」
「あ、これです、これ」
夏帆は、右端の『灯台守の朝ごはん』を取り上げて、女性に差し出した。
差し出しながら、手が止まった。
表紙の猫の前足が、灰色だった。
両方とも。
白くない。
(え)
夏帆は、表紙を窓に向けた。
光が、表紙の上を白い帯になって滑った。つやのある、加工された紙だった。夏帆の初版は、マットな紙だった。光を、こんなふうには返さなかった。
帯も、なかった。
「あら」と女性が言った。「猫ちゃん、白くないね」
「……すみません、ちょっと、待ってください」
頭の中で、何かが一気に走りだした。
誰かが持っていった。
いつ。誰が。何のために。初版だから? 古本屋で高く売れるから? フリマアプリに、今ごろもう出品されてたりして。〈初版 灯台守の朝ごはん 白い前足〉。値段は——
(落ち着いて。落ち着いて、わたし)
夏帆は、本を持ったまま、部屋を見回した。
今、ここにいるのは、美鈴と、年配の女性と、それから、窓際で文庫本を読んでいる三上くん。
三上くんは、十時五分に、この本を手に取った。
ぱらぱらとめくって、元の位置に戻した。
戻した、ように見えた。
夏帆は、三上くんのほうへ歩いていった。
「三上くん」
自分でも驚くくらい、硬い声が出た。
「さっき、この本、触ったよね」
三上くんは、顔を上げた。少し、きょとんとしていた。
「はい。見ました。猫の絵がいいなと思って」
「そのとき、何か、変わったところ、なかった?」
「変わったところ……」
三上くんは、本を見て、それから夏帆を見た。
夏帆の顔を見て、何かに気づいたように、少し顔色を変えた。
「あの、僕、戻しましたよ。ちゃんと」
その声が、ほんの少し震えていた。
夏帆は、言葉に詰まった。
自分が今、何を聞いたのか、分かった。
第三章 光る表紙
「……ごめん。疑ったみたいになった」
夏帆は、頭を下げた。
「本が、違う本になってて。それで、焦って。三上くんが悪いって思ったわけじゃ、なくて……いや、ちょっと思った。ごめんなさい」
三上くんは、しばらく黙っていた。それから、小さく笑った。
「推理小説だと、最初に疑われる人って、だいたい犯人じゃないですよね」
「……そうなんだよね」
夏帆も、少しだけ笑った。笑ったけれど、胸の奥は冷たかった。
確かめる前に、口が先に動いた。それは、自分の会の決まりにはない動き方だった。
三上くんは、持ってきた文庫本をリュックに戻した。
「もう少し考えてから、また来ます」
そう言って、階段を下りていった。
十一時を過ぎると、お客さんが続けて来た。
一冊目の『夜行バスのポケット』は、さっきの年配の女性の手に渡った。猫の本の代わりに、と言って、女性は少し迷ってから選んでくれた。夏帆は、白い机と窓の光で、女性の手と本を撮った。一枚目。
二冊目の『雨宿りの文房具店』は、美鈴の知り合いの手に渡った。二枚目。
写真を撮りながら、夏帆は、右端の本のことを考えていた。
「笹原さん」
昼前、古川さんが、コーヒーを持って上がってきた。事情を聞くと、ううん、と唸った。
「同じ本なら、うちの棚にもあるよ。下の本棚。それと入れ替えて並べとけば、写真は揃うやろ」
親切な提案だった。古川さんは本気で、夏帆の会のことを考えてくれていた。
「ありがとうございます。でも」
夏帆は、首を横に振った。
「揃っても、それは、わたしの六冊じゃないので」
古川さんは、少し驚いた顔をした。それから、「そりゃそうか」と笑って、コーヒーを置いていった。
美鈴が、横から言った。
「ねえ、もう、いいんじゃない? 今日は楽しもうよ。あの本も、きっと、どっかで誰かが読んでるって」
「どっかの誰かが読んでるのは、いいの」
夏帆は言った。
「でも、どっかの誰かがどこの誰か分からないのは、よくない。だって、行き先を全部写真に残すって、書いたんだもん」
美鈴は、少し黙って、それから「頑固」と言った。
怒っている言い方ではなかった。
夏帆は、窓際の椅子に座って、スマートフォンの写真を開いた。
九時四十分の、六冊の写真。
拡大する。右端の『灯台守の朝ごはん』。マットな表紙。白い前足。反射は、どこにもない。
十時五分の、最初のお客さんの写真。
三上くんが本を選ぶ前に撮った、机の端にそろえた手と、六冊。拡大する。右端。
表紙の上に、白い光の帯が一本、走っていた。
窓の光を返す、つやのある表紙。
この写真を撮ったあとで、三上くんは右端の本を手に取った。撮ったときには、まだ誰も六冊に触っていなかった。
(三上くんが触る前から、もう違う本だった)
九時四十分から、十時五分。
その二十五分のうち、夏帆が二階にいなかったのは、九時四十五分から九時五十七分まで。一階で、古川さんのアルバムを見ていたあいだ。
(わたしが、写真に見とれてたあいだ)
夏帆は、すり替わった本を手に取った。
本を売るとき、夏帆はいつも、角が折れていないか、背が割れていないかを確かめる。封筒の大きさ、厚さ、包み方。だから、本の傷の新しさは、だいたい分かる。
表紙の右下の角に、斜めの、細い折り目があった。
新しい折り目だった。紙袋の口を二回折って、その折り目が本の角に当たったときの跡。
背の溝に、白い粉がかすかに残っていた。
指でなぞって、匂いをかいだ。
小麦粉と、バターの匂いがした。

十二時。昼の時間で、お客さんがいなくなった。
古川さんが、空になったカップを下げに上がってきた。
「古川さん。今朝、九時四十五分から五十七分のあいだに、二階に誰か上がりました?」
「いや、今朝は二階、誰も上がっとらんよ。笹原さん、下におったしね。……あ、いや」
古川さんは、カップを持ったまま止まった。
「パン屋さんは来たか。九時五十分。毎朝、裏の階段から、二階の倉庫に置いてくけん。今日は岡野さんやったね。二階の本、きれいに並んどるねって、帰りに言いよった」
夏帆は、立ち上がった。
「美鈴。三十分だけ、ここお願いしていい?」
「えっ、今?」
「交換カード、ここ。一冊持ってきて、一冊持って帰る。カードに一言。写真は、わたしが戻ってから撮る。戻るまでに来た人には、待ってもらって」
「……了解。頑固さん」
夏帆は、すり替わった本を布の袋に入れて、階段を下りた。
第四章 六冊目の、行き先
パン屋「こむぎや」は、喫茶店の裏の路地を抜けて、歩いて二分のところにあった。
昼どきで、店の中にはお客さんが列を作っていた。
レジの奥に、白い三角巾の女の人がいた。四十代くらいで、トングを持つ手が早かった。胸の名札に、「岡野」とあった。
夏帆は、列の最後に並ばなかった。
店の外の、ベンチに座った。
今、聞きに行けば、岡野さんは仕事の手を止めることになる。お客さんの前で、本の話をすることになる。それは、夏帆がしてほしくないことを、相手にすることだった。

十二時二十分。列が切れた。
夏帆は、店に入った。
「すみません。喫茶ともしびの二階で、本の交換会をやってる、笹原です」
岡野さんの手が、止まった。
トングを置いて、エプロンで手を拭いた。それから、深く頭を下げた。
「……ごめんなさい。行こうと思ってたんです、仕事が終わったら」
岡野さんは、店の奥の小さな椅子を、夏帆に勧めた。
自分は立ったまま、話した。
「一週間前に、笹原さんの投稿を見たんです。六冊の写真。右端の猫の本」
岡野さんは、レジの横の棚から、紙袋を一つ取った。口を二回折った、こむぎやの紙袋だった。中から、夏帆の初版が出てきた。白い前足の猫。帯も、そのままだった。
「わたし、子どものころ、母にこの本を読んでもらってたんです。この猫、ミトンって名前で、前足が片方だけ白いのが自慢で。ずっと覚えてて」
岡野さんは、表紙の猫を、指でそっと撫でた。
「息子が八つで、今、同じ本を読んでるんです。でも、うちのは新しい版で。息子に言われたんです。お母さんの言う、白い足のミトン、どこにもおらんよって」
夏帆は、何も言わずに聞いていた。
「交換会、行きたかったんですけど、今日、四時半まで仕事で。そしたら、今朝の配達で、二階の前を通ったら、誰もいなくて、六冊が、写真のとおりに並んでて」
岡野さんは、少し笑った。困ったような笑い方だった。
「一冊持ってきて、一冊持って帰る、って書いてあったから。うちの本を持ってきてたんです、いつか行けたらと思って、鞄に入れっぱなしで。それで、交換して……並び、崩したくなかったから、同じところに、同じ角度で置いて」
「カードは」と夏帆は言った。
「探したんです。どこにもなくて。あとで言いに行けばいいって、思っちゃって」
カードは、そのとき、夏帆の鞄の中にあった。
「返しましょうか」
岡野さんが、初版を夏帆のほうへ差し出した。
「勝手なことしました。写真、全部撮るって書いてあったのに」
夏帆は、初版を見た。
白い前足の猫。九時四十分の光。
これを持って帰れば、六枚目を撮れる。告知どおりに、六冊の行き先が、同じ机と同じ光で並ぶ。
頭の中で、その六枚目の写真が、もうできあがっていた。手と、本と、白い前足。いい写真だった。たぶん、六枚の中でいちばん。
「……息子さん、もう、読みました? この本」
夏帆は聞いた。
「まだです。今夜、寝る前に一緒に読もうと思って」
夏帆は、頭の中の六枚目の写真を、そっと閉じた。
「返さなくていいです」
岡野さんが、顔を上げた。
「でも、二つだけ、お願いがあります」
夏帆は、布の袋から、岡野さんの本――後の版の『灯台守の朝ごはん』を取り出した。
「交換カード、書いてください。この本に挟んで、次の人に渡すので。この本が、どこから来たのか、分かるように」
夏帆は、鞄からカードを一枚出した。
今朝、出し忘れた束の一枚だった。
「それから、次に何かあったら、声、かけてください。わたしの会は、物を黙って動かさない会なので。……カードを出し忘れたわたしが、言うことじゃないですけど」
岡野さんは、少しのあいだ、カードを見ていた。それから、うなずいた。
レジの横のボールペンで、ゆっくり書いた。
〈この本は、白い足の猫を探していたパン屋から来ました。灰色の足のミトンも、よろしくお願いします。 こむぎや 岡野〉
「写真、撮りますか」と岡野さんが言った。「手だけなら」
夏帆は、店の中を見た。
白い蛍光灯。トレーとトングの並ぶカウンター。粉の舞う空気。
「いえ」と夏帆は言った。「ここは、わたしの撮りたい光じゃないので」
言ってから、少し失礼だったかと思った。
でも、岡野さんは笑った。
「そうよね。あの二階の光のあとじゃね」
会場に戻ったのは、十二時三十五分だった。
美鈴は、二人のお客さんを待たせて、カードの書き方を説明していた。夏帆を見ると、両手を挙げた。
「戻ってきた! 写真、待ってもらってます!」
午後、三冊目の『鯨が来る町』は親子連れのお父さんの手に、四冊目の『チョコレートの地図』は高校生の手に、五冊目の『金曜日の小さな魔女』は近所の女の人の手に渡った。
夏帆は、一冊ずつ、白い机と窓の光で撮った。三枚目、四枚目、五枚目。
右端には、後の版の『灯台守の朝ごはん』が、岡野さんのカードを挟んで置いてあった。
十五時半。
三上くんが、もう一度、階段を上がってきた。
朝、持ってきていた文庫本をリュックから出した。
「あの、交換してもいいですか。午前中の、猫の本」
夏帆は、目を丸くした。
「……あれ、白い前足じゃないよ。違う版で」
「知ってます。でも、疑われた本、気になって。どこから来たのかも」
三上くんは、右端の本を手に取って、カードを読んだ。
読み終えて、小さく笑った。
「パン屋から来たんですね」
「パン屋から来ました」
夏帆も笑った。
「撮っていい? 手元だけ」
「はい。……疑われた手ですけど」
「それ、もう言わないで」
夏帆はスマートフォンを構えた。
午後の窓の光が、つやのある表紙の上に、白い帯を一本、作っていた。
午前中、この光の帯が、夏帆に「もう違う本だ」と教えた。今は、灰色の前足の猫の上で、きれいに光っていた。
シャッターを切った。
六枚目。
ただし、夏帆の六冊目の写真ではなかった。
その夜、夏帆はローテーブルに、今日の写真を並べた。
いちばん上に、九時四十分の六冊の写真を置いた。
六冊が並んだ、最後の一枚だった。マットな表紙、白い前足。この写真の右端の本の行き先だけは、写真がない。
その下に、手と本の写真を五枚。
最後に、三上くんの手と、光る表紙の写真。
夏帆は、投稿の文章を打った。
〈六冊の行き先。五冊は写真のとおり。六冊目は、写真がありません。白い足の猫は、今夜、八歳の読者のところで読まれているはずです。かわりに、交換で来た本が、もう一冊、旅に出ました〉
打ちながら、もう、来週の想像をしていた。
次の会は、カードを最初に出す。机の端の、いちばん目立つところに。それから、もし誰かが朝早くにしか来られないなら――
(だから、まだ何も決まってないのに、何を考えてるのわたしは)
夏帆は、自分に突っこんで、少し笑った。
夫には、明日の朝ごはんのときに、全部話すことにした。
どこから話そう。光る表紙からか、小麦粉からか。それとも、三上くんを疑ってしまったところからか。
いちばん話したくないところから話そう、と夏帆は決めて、投稿のボタンを押した。


