A FAMILIAR FACE, ANOTHER STORY
ミコシリーズ
初めての店も、電話一本も、ミコには大事件。頭の中の五人と大騒ぎしながら、日常の小さな一歩を踏み出す連作短編です。
各話は読み切りです。第1話から順に読むと、登場人物の小さな変化も楽しめます。
第1話から読む 13話公開中・各話の読了目安つき
シリーズの物語
第1話から順に並んでいます
ドアひとつぶんの全員会議
怖いまま、ドアだけ開けてみる。
この話を読む三ヶ月ぶりの戦場
美容室は、ミコにとって小さな戦場だった。
この話を読む三週間目の、白い待合室
病院に行くだけで、今日は大勝利。
この話を読むミコ、忘年会の幹事になる
頭の中は大混乱。でも、幹事は待ってくれない。
この話を読む電話が怖い、コートが大きい
電話一本が、コートよりずっと重かった。
この話を読むインターホンまで、三歩半
隣の部屋まで、三歩半。いちばん遠い三歩半だった。
この話を読む目的地まで、あと二つ
道は知っている。足が知っている。口が知らない。
この話を読む二人一組の、みじん切り
隣の包丁が速すぎて、わたしの仕事がなくなっていく。
この話を読む教える係は、教わる顔をしている
十二ページの手順書に、いちばん大事な一行が書いてなかった。
この話を読む試着だけで、帰っていい
「似合ってます」に「ありがとうございます」と言うたび、買う人になっていく。
この話を読む「どこでもいい」の、つづき
「どこでもいいよ」と返したら、候補が七つになって返ってきた。
この話を読むその写真には、わたしもいる
「撮るほうが落ち着く」も、本当だったけど。
この話を読む勝ちたいって、言っていい
「すみません」と言ったけど、すみませんとは、少しも思っていなかった。
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